written: 2014-04-24 .. 2014-07-20

WiMAX の今後を深読みする

2015 年から通信量制限?

UQ コミュニケーションズ社から総務省に提出された資料(この PDF の最後のページ)の図によると、従来の WiMAX(無印)は、2015 年 10 月から現状の 1/3 に帯域幅が縮小されて、WiMAX 2+ に帯域を明け渡す予定となっています。

帯域縮小の説明図

ところが、この件について情報を収集していて、妙な噂を目にしました。それは、「WiMAX(無印)が、2015 年から通信量制限される」というものです。

WiMAX 2+ の方が他の 4G LTE と同様に通信量制限(7GB/月、1GB/3日)される予定であるということは有名な話です。ところが、その上記ブログでは、WiMAX(無印)も、3 日で合計 1 GB までという通信量制限の対象となる予定だと主張しています。

当初、びっくりして調べてみましたが、そのブログか、そのブログを参照したと思われる情報を除いて、そのようなことを言っている情報は見つかりません。

2015 年以降も WiMAX(無印)は通信量制限無しの使い放題

UQ コミュニケーションズの公式の説明を「ちゃんと」読めばわかりますが、2015 年 4 月から 3 日で合計 1 GB の通信量制限の対象となるのは、「WiMAX 2+」のことです(「WiMAXなら速度制限なし!」の※3):

なお、2015年4月以降、「WiMAX 2+」通信もこの終日制限の対象となることがあります(予定)。

決して「WiMAX(無印)」のことではありません。上のブログのようないいかげんな情報に振り回されないように注意が必要です。

2018 年にはサービス終了

しかし、2018 年には WiMAX(無印)は停波され、完全に WiMAX 2+ に一本化されてしまうので、どの道 WiMAX(無印)には終わりとなります。また、2015 年 10 月の帯域幅の縮小によって、通信速度は確実に低下すると思います。

WiMAX 2+ が通信量制限を廃止する可能性はあるか?

WiMAX(無印)は、通信量制限が無いことを売りにしていただけに、そこを買って WiMAX を選んでいたユーザーの多くが、通信量制限のある WiMAX 2+ を敬遠する可能性は十分にあります。そしてそれらのユーザーは、WiMAX 2+ が客からあまりにも不評であれば、UQ コミュニケーションズ社も音を上げて、通信量制限の廃止に踏み切るんじゃないかという可能性を期待している人もいるでしょう。

しかし、UQ コミュニケーションズ社の立場をよくよく分析してみると、おそらく、その期待はしない方が良さそうです。

UQ コミュニケーションズ社は、KDDI の 100% 子会社です。たとえ多くの客に背を向けられたとしても、親会社 KDDI に損失をもたらすビジネス戦略は選択できません。UQ コミュニケーションズ社自体は、通信量制限を行うことが、どういう結果になるかということは 100% 熟知しているはずですが、そのことをわかった上で、こういう決定になったのだと思います。

WiMAX 2+ という規格自体、従来の WiMAX を 4G LTE に合流させ一本化させるための規格であると、Wikipedia にも書かれています。

つまり(これはどこかで聞いた話ではなくて、単なる以上の背景から必然的に辿り着いた類推ですが)、KDDI の 100% 子会社である UQ コミュニケーションズ社の WiMAX 2+ 用のアンテナというのは、KDDI (au) の 4G LTE 用のアンテナに同居する形になっているはずです。というか、KDDI (au) の 4G LTE 用のアンテナを、WiMAX 2+ で使っている周波数帯にも対応させただけで、それ以外のインフラは完全に、KDDI (au) の 4G LTE 通信網を用いているのが実態だと思います。

こうすれば、KDDI グループとしては、WiMAX 事業からの撤退を、ほとんど大きな痛手なく行うことができます。WiMAX 2+ を展開するために大した設備投資を行っていないわけです。エリート大学出身者が多数就職しているような大企業が熟練している極めて官僚的なビジネステクニックですが、WiMAX 2+ という「さも新しい」「将来性のある」「攻めの」「積極的な」事業を展開しているイメージを世間に与えつつ、その実態は正反対の「敗北」「撤退」「逃走」劇を演じているというわけです。

WiMAX 2+ というのは実態として KDDI (au) の 4G LTE 通信網そのものなわけですから、UQ コミュニケーションズ社の意向の問題ではなく、KDDI の意向として、通信量制限を廃止できるわけがありません。客にどんなに不評であっても、関係がないのです。もし通信量制限を廃止したならば、それは別に、WiMAX 2+ だけではなくて、au の 4G LTE サービスの方でも通信量制限を廃止する状況になることを意味するわけで、そうなったら別に WiMAX 2+ ではなくて、電波の届きやすい 4G LTE の方をユーザーは選ぶでしょう。つまり、WiMAX 2+ というのは実質、au の商品であって、UQ コミュニケーションズ社の商品ではないのと同然なのです。

そういうわけで、もう UQ コミュニケーションズ社は、WiMAX(無印)とともにその役割を終え、おそらく、KDDI に吸収されて退場するものと思われます。なので、UQ コミュニケーションズ社に、WiMAX 2+ の通信量制限の廃止を期待しても多分、無駄ではないかと思います。せいぜい 2018 年までの期間限定のつもりで、WiMAX(無印)の余生と付き合うのが妥当な態度ではないでしょうか。

その他の WiMAX に関するトピック

僕自身の WiMAX ユーザーとしての月額費用などの検討は別記事「WiMAX に一本化してみた」に記しました。興味のある方はご覧ください。


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