written: 2012-08-02 .. 2012-10-24

iPad SIM ロックフリー

ソフトバンクで iPad を入手した場合との比較

ソフトバンクの場合 2 年縛りなので、2 年間(24ヶ月間)トータルでのコスト計算で比較することにする。また機種は 64GB の場合である。

SIM ロックフリー vs ソフトバンク
端末購入費通信契約費24ヶ月総費用
ソフトバンク
ベーシック
データ定額プラン
790×24
= 18,960
4,725×24
= 113,400
132,360
IIJmio
高速モバイル/D
ミニマムスタート128
74,7963,150(*)+945×24
= 25,830
100,626
DTI ServersMan
SIM 3G 100
74,7963,150(*)+490×24
= 14,910
89,706

(*) IIJmio、DTI の場合、初期費用が 3,150 円かかる。

また 24 ヶ月の総費用で比較する他に、通信会社に毎月支払う費用で比較する方法もある。ソフトバンクの場合、iPad の購入費用の分割払いもすべて含めて毎月 5,515 円。それに対して IIJmio では 945 円だから、5,515-945 = 4,570 円の差額となる(DTI では 490 円だから、5515-490 = 5,025 円の差額)。IIJmio(または DTI)の場合 iPad はこちらが自前で入手しており、その費用は予め 74,796 円かかっている。さらに IIJmio(または DTI)の初期費用 3,150 円を合算すると 77,946 円である。つまりスタート段階で 77,946 円を先払いしている。その 77,946 円分の差を 1 ヶ月あたり 4,570 円ずつ(DTI の場合は 5,025 円ずつ)埋めていくので、77,946÷4,570 ≒ 17 ヶ月(1 年 5 ヶ月)で追い付くことになる(DTI の場合は 77,946÷5,025 ≒ 15 ヶ月で追い付く)。すなわち、スタートから 1 年 6 ヶ月目(DTI の場合は 1 年 4 ヶ月目)以降からは、ソフトバンクで契約した場合よりも、毎月 4,570 円(DTI の場合は 5,025 円)が浮いていく計算となる。

必要なのは、オークションで取引するリスクを取る勇気と、取引相手を選ぶ慎重さだ。

※DTI の場合は SIM が通常サイズのものしか提供されていないので、iPad で利用するには自分で SIM を切断して MicroSIM 化する必要がある。下記の入手顛末記のように、iPad 入手当初は IIJmio でスタートし、その IIJmio では MicroSIM も提供しているので MicroSIM 化の手間は必要なかった。間も無くして DTI の ServersMan SIM 100 のサービスが始まったので、乗り換えることにした。そのため、実際に DTI の SIM を切断して MicroSIM のサイズにしたが、特に問題なく使えている。IIJmio の MicroSIM の現物を参考にして普通のカッターナイフで切断し、鉄ヤスリで微調整しただけだった。

iPad SIM ロックフリー入手に到るまでの顛末記

先日、iPad(第 3 世代;64GB;US AT&T Unlocked)を購入した。自分ではなくて親のためのものだが、通信契約等諸々の事柄があるので、以前から検討を頼まれていた。それが僕にとっては非常に悩ましい問題があり、中々結論を下せないでいた。Wi-Fi 版ならば何ら問題はないのだが、親にとって必要なのは携帯通信回線版だったからである。Wi-Fi 版にしてもらって、モバイル Wi-Fi ルーターと併用するアイデアもあったが、使うのは自分ではなく親なので、シンプルでないやり方は避けるべきだ。だが、携帯通信回線版の iPad は、日本国内では未だにソフトバンクが独占販売している。iPhone 4S が au から発売されてからも、携帯通信回線版 iPad のソフトバンク独占状態は崩れることはなかった。

昨年(2011 年)末頃に親から相談された時、2012 年春に第 3 世代の iPad が登場する予定であり、解像度の点で飛躍的に向上するので、それまで待って欲しいと言って、とりあえず時間を稼いだ。また、第 3 世代 iPad は当然 au からも販売されるようになるだろうと思っていたのだが、その期待は完全に裏切られた。

そうこうしている内に、突如として、親がソフトバンクで 2 年縛りの iPad を購入しようと動き始めた。僕はソフトバンク(の 2 年縛り)はどうしても回避したかったので、あまり望ましくないが、au のモバイル Wi-Fi ルーターと併用することとし、とりあえず Wi-Fi 版の iPad を購入してもらうことで話をつけた。親は早速オンラインのアップルストアで発注した。ところがその夜に僕が情報を探っていたところ、「SIM ロックフリー」ということを知った。SIM ロックフリーの iPad であれば、好きな通信会社の SIM を挿して、安価な契約プランで携帯通信回線版 iPad を利用することが可能なのである。

特に僕の親の事情については、外出先でもインターネットに接続できるようにしておきたいという要請はあるものの、その頻度は少なく、また静的コンテンツをチェックする程度の作業内容なので非常に限定的な通信速度で十分である。だから、イオンや日本通信(b-mobile)のような MVNO の低速・低額プランで十分なのである。

それに対して、iPad 本体の値段が割安(タダ同然)になるからということで、高速の定額プランを前提とするソフトバンクの契約に釣られるのは、みすみすネギを背負ってこちらから出向くようなものであり、向こう(ソフトバンク)側からすれば、高額のプランに加入するにもかかわらず帯域をほとんど使わずに 2 年間拘束されて放置する、この上ない〝美味しい〟カモとなることを意味する。

つまり、チョウチンアンコウの光(=格安の iPad)にまんまと誘われてアンコウのエサにされる小魚の立場になるとわかっていて、みすみすその立場に甘んじるわけにはいかないし、チョウチンアンコウのような策略を弄する、消費者に対して失礼な会社と関わりを持つのは癪だ。これはソフトバンクに限らず、長期縛りで一見端末費用がお得なように見せかけて、高額の契約プランの縛り契約に誘導する営業戦術を採っている通信会社はどこもこの点で同類である。

低額 MVNO の場合、長期縛りのような姑息な営業戦術は用いないのが普通である。好きな時に利用を開始して、好きな時に解約して利用を停止できる。企業として全くフェアな営業姿勢である。

さらに、SIM ロック端末というのは、上記の長期縛りに上乗せして理不尽なシステムであり、長期縛り終了後の、端末代の分割払いが完了した後であっても、その通信会社以外での使用ができないという制限がかけられている。つまり、ソフトバンクで購入した携帯通信回線版 iPad は、2年縛りの後でも、ソフトバンク以外では使い物にならない、ソフトバンク専用品なのである。

これはもう、事情を知ってしまったならば、是が非でも、SIM ロックフリーの iPad を入手するしかない。(※ただし、アップル社側にとっての〝非合法〟な方法、すなわち「脱獄」による SIM ロックフリー化は論外とする)

既に Wi-Fi 版の iPad をオンラインのアップルストアで発注していたが、すぐにキャンセルしてもらい、海外から SIM ロックフリーの iPad を入手することに方針を転換した。

巷で転売されている海外版の SIM ロックフリー iPad は香港版が多いようだが、香港版だと充電用の AC アダプターの形状が日本と異なっており、変換プラグを付けて使用することになり、あまりスマートではない。北米版(アメリカ、カナダ)であれば、日本と同じである。そこで、北米版を入手することにした。

しかし、海外のオンラインのアップルストアでは、その国の人でなければ、購入できないようになっている。当初は、インターネット上で散見する、「転送・代行業者を通じてアメリカのアップルストアから購入する」ことも考えたが、色々と面倒な点があったので、挫折した。

結局、多少のリスクを覚悟で、ヤフーオークションの新品未開封の転売品を狙うことにした。オークションの場合、取引する相手次第の問題なので、必ずしも他人に勧められるものではない。結局、相手が信用できそうかどうかの判断が重要だ。僕の場合、相手が過去最近にも同じ新品未開封の iPad の転売実績があり、それに対する落札者からの評価が安定しているかどうかを基準にし、また文章の日本語の感じからしても間違いなく日本人であることも基準にして、「多分大丈夫だろう」と思われる相手(アメリカ在住の日本人と思われる人)を選んだ。日本人を選ぶ理由は、決して外国人を嫌っているわけではなくて、何がしかのトラブルが発生した場合に、意思疎通が十分にできなければ、余計にどうにもならなくなる可能性があるからである。

iPad がアメリカから遠路はるばる無事届き、IIJmio の低額低速プラン(高速モバイル/D ミニマムスタート128)の SIM を挿して動作確認するまで、リスクゆえに心理的な負担はあったが、極めて良心的な取引相手に恵まれたお陰で、最終的には幸せな結果に辿り着くことができた。

IIJ から届いた SIM に挿し替えて、モバイルネットワークの設定を IIJmio のものにする(このあたりは IIJmio の会員サイトにある設定に関する説明の通り)。設定に基いてドコモの電波を受信するまで、しばらく時間を要するので、焦らないのがポイント。

また、iPad は別途 AppleCare+ という有料の追加保証サービスがあり、これは購入から 30 日以内に店頭で(ジーニアスバーを通じて)申し込む必要がある。親が使うものなので、壊してしまうようなことも発生しないとも限らない。なので、できれば AppleCare+ に加入したかったのだが、渋谷のアップルストアに持って行ったところ、何の障害もなく加入することができた。これも取引相手が、とても速やかに手続をしてくれたからこそである。何らかの事情アリの iPad が転売された場合、その iPad が購入されてから 30 日を過ぎているケースも有り得るわけで、そうなると配送されてからすぐに日本国内のアップルストアに持って行っても、AppleCare+ に加入できない場合も有り得るわけだ。

iPad (3rd / Wi-Fi+Cellular / 64GB / US AT&T Unlocked / Black) 購入費用
内訳金額(円)
本体(※1)69,800
送料3,500
落札代金の銀行振込手数料100
通関手数料(※2)200
消費税・地方消費税(※2)700
ヤフープレミアム&補償(※3)496
以上、本体入手関連総費用74,796
AppleCare+8,800
アップルストアまでの交通費970
AppleCare+ 関連を含めた総費用84,566

※1:アメリカのアップルストアでは上記スペックの iPad は $829 で売られている。現時点でのドル/円相場は 80 円/ドル弱なので、80 円で計算すると66,320 円相当である。

※2:iPad は情報機器なので関税は非課税だが、通関手数料と、消費税・地方消費税は課される。

※3:ヤフーオークションで 5,000 円以上の高額商品を落札するためには、一時的にでもプレミアム会員に加入する必要がある。


戻る